奇妙な恩師
最大の恩師禿田先生
もう高の最大の恩師は(といっても2人しかいない)、中学1年のときの担任である。彼は51歳と、ほぼもう高の親と同世代だが3人の子供たちはまだ小さく、末っ子はまだ1歳。
禿田先生、というのはもちろんもう高が勝手に付けただけの名前で、綺麗に禿げていらっしゃるからという安直な理由である。
恩師の禿田先生
大学生時代から禿げていたというのでなかなか気の毒だが、禿げているおかげで子供から人気を得たというか、とにかく遠くにいても分かりやすいし光り輝いているのだ。
ロシア人美女に騙されかける
そんな禿田先生だが、見た目によらず恋愛にも関心があるようで、現在の結婚相手との馴れ初めとか、高校時代に好きだった人の話とか、我々生徒達はたくさん聞かされてきたのだが。
もう高が特に気に入っているのはやはりロシア人美女に騙される話である。
禿田先生の結婚前のこと。あまりにもモテなかった先生は出会系サイトに登録し、デート相手を探し始めた。気になった相手に数人アプローチしてみても相手から返事は一向に来ず、そろそろサイトを開くのも気乗りしなくなってきた頃。
ロシア人美女からアプローチが来たのである…!
妖艶な長い赤毛を持つアナスタシアからのアプローチに、疑うことを知らない純粋な禿田先生は心を奪われ、すっかりと虜にさせられてしまう。単にその美しさに魅せられたおじさんと、ハゲなど気にしない心麗しき美女の感動的な恋物語といったところである。
ついに二人で会うことに
出会ってから少ししてアナスタシアの手のひらの上にすっかりと禿田先生が収まった頃、アナスタシアのほうからとうとう会いたいと申し出たのである。
ただし、飛行機代30万円を出してほしいと。
日本在住ならともかくとしてロシアに住んでいるのに日本の出会系サイトを利用している(しかもそんな美女が)(しかも禿げていること以外はこれといった長所もない自分に)ことには特に疑問を抱かなかった禿田先生は、いそいそと健気に30万円を用意したのである。
アナスタシアからゆうパックでお金を郵送するよう指示があり、さて送ろうかという矢先。禿田先生は、「なぜロシアにいるのにゆうパックを使うのか?」という素朴な疑問にぶち当たり、結局怖くなってサイトのアカウントを消したのだという。
結末は残念だけれど、お金は無事だったわけだし、アナスタシアもしばらくの間は禿田先生に夢を見させてくれたのだと思うと、そう悪いばかりの経験ではなかったのかも…??
少なくともオンライン詐欺への対策という授業にはもってこいだったことは確か。もう高にも実体験をもって教えを与えてくれたのである。
みなさんもロシア人美女からのナンパにはご用心を。
もう高